会頭挨拶
第41回日本臨床皮膚科医会・臨床学術大会
会頭 筒井 清広
(石川県立中央病院)
このたび、第41回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会を2025年4月5日(土)、6日(日)に金沢市で開催させて頂くことになりました。東海・北陸ブロックの開催は4回めで過去に第5回(阪野正之会頭)、第15回(大野弘之会頭)、第29回(田中隆義会頭)と名古屋開催でしたが、今回は前田直徳前理事と後藤重己ブロック長に北陸開催を強く推薦され、白崎文朗富山県支部長と金沢大学皮膚科松下貴史教授に背中を押され会頭を引き受けました。初めての北陸開催を成功させて、会員の皆様に喜んで頂けるように、チーム一丸となって準備をすすめてまいりました。
今大会のテーマは「DEEP DERMATOLOGY~ 皮膚科医にしかみえないもの」としました。これは、「DEEP MEDICINE;Eric Topol著」から発想を得たものです。医療でのAIディープラーニングとAI診断・治療アルゴニズムによるパターン認識が放射線学や病理学のみならず皮膚科・眼科・脳神経科で脅威となりますが、効率化で生み出された時間で患者とのディープな共感とつながりを取り戻す機会を得られるとの思いです。皮膚科医は自分の眼でしっかりと患者を診ることができます。皮膚科医にしかみえないものが必ずあると思います。
今学会では、最新データのみならず明日からの実地診療に役立つ様々な講演をご用意いたします。特別講演は福井大学附属病院救急部林寛之教授、日本皮膚科学会理事長の大阪大学皮膚科藤本学教授、東京大学医科学研究所西村栄美教授にお願いいたしました。ハンズオンセミナーとして金沢医科大皮膚科主催の真菌講習会を開催します。また、皮膚疾患ケア看護師の単位取得講習会を予定しています。
今回は、オンライン聴講とオンデマンド配信をせずに対面学会としました。北陸新幹線も福井県敦賀市まで延伸され、交通の便も良くなりました。金沢は例年4月初めに桜の満開を迎え、兼六園や浅野川・犀川の絶景と美味しい鮮魚、地酒が皆様をお待ちしています。さらに、早朝ランニングとメディカルオーケストラ金沢によるクラッシック演奏会を企画しました。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
追記:2024年1月1日午後4時に能登半島をマグニチュード7.6の大地震が襲い、帰省したたくさんの家族の団欒が奪われ日常生活のライフラインがすべて破壊されました。現在もその復興は道半ばではありますが、皆様からは様々なご支援、ご声援を頂きありがとうございました。今回は金沢から能登へ、この学会の盛会をもってさらなる声援を送りたいと思います。